山口県周南市のJR徳山駅前の再開発で「TOKUYAMADECK」が誕生しした。かつて県内有数の商業地として栄えた中心市街地ににぎわいを取り戻すための起爆剤として期待されています。中核店舗のオープンから1か月あまりがたちましたが、周辺商店街への影響はどうなのか。商店街の抱える課題と未来を考えます。
JR徳山駅前の再開発で誕生した「TOKUYAMADECK」。4月、中核店舗となる「業務スーパー」がオープンし、現在は飲食店などおよそ20の店舗が営業しています。この場所は昔・・・。
かつては県内有数の商業地
およそ280メートルのアーケードの下に店が建ち並ぶ商店街でした。年の瀬にはこれだけの人。この「みなみ銀座商店街」を含む中心商店街はかつて、県内有数の商業地として栄えました。週末には多くの買い物客であふれ、歩くと、肩と肩とが当たるほどだったといいます。
1929年・昭和4年に開業した「富士事務器」の3代目社長で、商店街振興組合の理事長を務める藤村哲一さんは当時を振り返ります。
徳山みなみ銀座商店街振興組合・藤村哲一理事長
「ここにダイエーがあったんですよ、そのあとトポスになりましたけどね。約500坪、地下もありましたね、あの時は」
1960年代から70年代にかけて、みなみ銀座商店街には近鉄松下百貨店にダイエー、ニチイなど大型店が次々と出店。ここでしか買えない商品を目指して、各地から人が集まりました。
藤村理事長
「みなみ銀座は歩行者専用のアーケードですから、なんでもできたんですよ。だからいろんなことやりましたよ」
商店街で協力して毎月のようにイベントなどを開き、まちは活気に満ちていたといいます。時代は昭和から平成へ。このころから、中心商店街を取り巻く環境は大きく変わります。
大型店出店で人の流れに変化
かつて、県内有数の商業地として栄えた周南市の中心商店街。大型店が続々と出店し、週末は多くの買い物客であふれていました。昭和から平成に移る頃、中心商店街は変化の流れにのまれていきます。

1993年、隣の下松市に大型商業施設「ザ・モール周南」がオープンすると、広大な無料駐車場を備えた大型商業施設が郊外に続々とオープン。車社会の発達もあり、駐車場の少ない中心商店街から客足が遠のきました。