気になる天気の話題を気象予報士が山形県の天気を含めてフカボリする『教えて兵頭先生』のコーナーです。

吉川アナウンサー
台風4号が温帯低気圧に変わったことを全国ニュースでもお伝えしていますが、
何が変わったんでしょうか?

台風ってナニ?

兵頭気象予報士
では、台風は何かというところから、お話したいと思います。
まず台風は赤道付近の暖かい海、熱帯で生まれる低気圧『熱帯低気圧』のうち、風の強さが17m/s以上になったもののこと。

この熱帯の暖かい海水そこから蒸発する水蒸気がエネルギー源となっているわけなんです。

こちらはですね、4月に発生しました最初の台風『台風1号』の衛星画像なんですけども、
反時計回り左回りの渦ができているのがわかりますでしょうか。

この中心付近を見ると、雲の隙間が開いていて、これがいわゆる『台風の目』ということで
この目ができていると大変強いということです。
そして目の周り、水ぶくれのように雲の表面ボコボコとしているんです。
これが積乱雲でして、この下では非常に激しい雨が降っているんです。

他にも、外側にこういったボコボコとしたところがありまして、
こういったところも、積乱雲が発達しています。
これ、台風の中心よりも右側、東側に多いですよね。

東側の方に、より暖かく湿った空気が反時計回りの風に乗って入ってきやすいからです。
これが台風の構造なんです。

台風の一生

次に台風の一生というものを見たいんですが、台風の終わり方には2つあります。


1つ目『台風3号』のパターンなんですが、
台風となった後上陸しました。
そのときに水蒸気の供給が絶たれますから衰弱して最終的にはまた『熱帯低気圧』に戻っちゃったっていうパターン。

もう1つは『台風4号』のパターンです。
同じく台風になった後、九州地方に上陸しましたがその後、これ『温帯低気圧』というものに変わったんですよね。

日本付近にやってくる『台風』というのは、この『温帯低気圧』に変わることが多いんですが、それぞれの違いは何かというと、


『熱帯低気圧』は基本的に『台風と強さが違うだけで、性質的には同じもの』です。温かい水蒸気がそのエネルギー源です。

『温帯低気圧』は、私達が普段、天気予報で『低気圧』と言っているいわゆる『普通の低気圧のこと』なんです。そのエネルギー源というのは、『暖かい空気』と『冷たい空気』の『ぶつかり合い』によって生まれています。
このために、発達のメカニズムが変わっていくんです。

そうしますと、一度台風から低気圧に変わったとしても、
日本の上空には寒気が流れ込んできていますので、その後再び発達していくことがあるんですよね。

こちらは今日のお昼の様子なんですけども、こちらが台風4号から変わった温帯低気圧。
この低気圧週末にかけてしばらくここに居座った後、週末は少し北に発達しながら移動していく見込みで、週末はこの低気圧の影響を受けてきそうです。

台風ではなくなっても注意が必要


まとめると、
『台風は発達した熱帯低気圧』のことで、『台風ではなくなった後も雨などには十分注意が必要』です。
台風は1年間で約25個発生していますが、7月以降がこの台風の発生するトップシーズンとなりますので、今後、台風が発生してきたときには注意が必要です。

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