山形市の(有)黒沢温泉喜三郎(資本金500万円、山形市黒沢319-1、代表小笠原八重子氏、従業員8名)は、7月1日までに事業を停止し、事後処理を堀口真弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、東京都千代田区丸の内1-9-2、電話03-5860-3640)に一任、自己破産申請の準備に入った。
帝国データバンクによると、黒沢温泉喜三郎は、1972年(昭和47年)10月に設立された。山形市南部の黒沢温泉にて温泉旅館「黒沢温泉 喜三郎」のほか、観光果樹園「喜三郎さくらんぼ狩園」も経営していた。
湯元としてスタートしたとされ、2003年(平成15年)には客室数24室の旅館にリニューアルし、2019年(令和元年)8月期には年収入高約2億円を計上していた。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年(令和3年)8月期の年収入高は約4000万円まで減少、多大な赤字を余儀なくされていた。
コロナ禍が明けた2023年(令和5年)8月期の年収入高は約9800万円に回復したが、2023年(令和5年)11月に前社長が逝去。経営体制の刷新を強いられたことや、コロナ禍明けのリベンジ消費が一巡し、さらにはインバウドの受け入れが弱かったことから、2024年(令和6年)8月期の年収入高は約9000万円にとどまっていた。
その後は、中小企業活性化協議会の指導を受けて事業再生に取り組んでいたものの、多額の債務を抱えての運営であったことや、旅館の利用者数も回復しなかったことから事業の継続を断念した。
負債は2024年(令和6年)8月期末時点で約3億円だが、変動している可能性がある。



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