■パトカーは浸水域へ…



午後11時33分頃、2人の乗ったパトカーは道路が冠水したエリアに到着した。

夜、激しい雨であたりを確認するのは極めて難しい状況であったことが推測される。



そして、ここから一気に状況は悪化していく。

現場到着から3分後の午後11時36分頃。

2人の乗るパトカーから署に無線連絡が入る。

内容は「現場に到着したこと」「救助が必要な車を確認したこと」そして…「パトカーが川に入っていること」だった。

無線連絡で使われた「川」という表現は実際には正しくなく、「冠水した道路」だったことがその後のドライブレコーダーの解析で分かっている。

無線を聞いた署員は川には入らないよう指示を出したが、この時、すでに2人はパトカーを冠水した道路から脱出させようと、バックで移動を始めていた。

この時の水深は約80センチ。成人男性であれば、腰の下ほどの水が押し寄せていた。

そして…パトカーが流され始めた…。