耳のお掃除「耳かき」ってどのくらいの頻度でしますか?お風呂あがりなど、気持ちがよくて毎日のように“習慣”になっている人もいるのではないでしょうか?実はこの耳かき「少ないほどいい」そうなんです。取材しました。

耳のお掃除「耳かき」。みなさんどのくらいの頻度で、何を使ってしているんでしょうか?

男性:「普通の細い竹の耳かきで
    2か月に1回くらいかな
    しばらくやってないなという感じで」
女性:「1か月に1回くらい
    耳かきとピンセットで」
男性:「毎日やっている、朝と風呂上がりです
    やっぱり爽快な気持ちになる」


一方、ニュージーランドから富山県に観光に来たという女性はー。

「毎日します。水だけで。シャワーした時に。
 それか布を使ってこんなふうに(拭く)。
 でも綿棒は使わない。綿棒で押し込むと
 耳垢が奥に入って詰まってしまうので」


耳かきの頻度や方法は、人によってさまざま。

耳にとって、一番良いのはどんなやり方なのでしょうか。医師に聞いてみると…

伊東耳鼻咽喉科クリニック・伊東宗治院長
「特に症状出ない方だったらかゆくなったときにちょっと掃除されるくらいで十分。(かゆみなど)症状がないのに定期的に掃除されるとか、その必要は全くないと思う」


なんと、かゆみなどの症状がない限り、耳かきをする必要は特にないというのです。

伊東宗治院長:
「耳の中は皮膚なので、皮膚表面を削るのと一緒ですから、触りすぎるのは皮膚も荒れるのと一緒なので耳の中もそういう状態になる。(耳垢を)取るときに皮膚の表面をなぞるわけですけど、そうすると皮膚の表面にひっかくような感じになる。頻繁に皮膚を引っかいていれば、皮膚が荒れる」

私たちが耳かきで掃除しているのは、鼓膜へ続く「外耳道(がいじどう)」とよばれる皮膚の部分です。耳かきをしすぎると、ここが肌と同じように湿疹や炎症を起こし、外耳道湿疹や外耳道炎を引き起こすおそれがあるといいます。それが引き金になりウイルスに感染すると、耳の皮膚全体が真っ赤に腫れあがる症状も。

しかし、掃除をしないと耳垢が溜まってしまうのでは…?

伊東宗治院長:
「(耳垢は)自然に外側へ移動するような形になっているので、そんなに心配する必要はない。耳は皮膚と一緒で分泌腺とかあるので、分泌液そういったのと一緒になって(耳垢が)外へ出てくるような感じになっている」


本来、耳垢は自然に外に押し出されるようになっていて、むしろ、大きめの綿棒で奥まで掃除をすると逆に耳垢が押し込まれ、聞こえが悪くなる「耳垢栓(じこうせん)」にもつながるといいます。

理想の耳かきのやり方は…

伊東宗治院長:「日本人の方は乾燥した耳垢が多いので、なぞるような感じでできるだけ力を入れない感じでしていただくと。何回もしない、すっすっとされる程度で」

使うのは綿棒や耳かきなど何でもOK。耳垢には皮膚が乾燥しないよう保護する役割もあるので、取れるものだけで十分です。

伊東宗治院長:
「頻度的には2週間以上は空けた方がいいんじゃないかと言われている。できればもっと空けてもいいと思う」
記者:「少ないほどいいということですか?」
伊東宗治院長:
「そうです。症状がなければ触る必要がないので、そのほうが良いと思います」