黒部峡谷鉄道のトロッコ電車が出発する玄関口、黒部市の宇奈月温泉。コロナ禍を乗り越え今シーズンが“勝負の時”です。生き残りをかけ、億単位の改修工事をしてきた旅館を取材しました。

宇奈月温泉 延楽 濱田賢専務:
「こちらが先週オープンした新しいお部屋です」

老舗旅館、延楽に先週オープンしたばかりのこちらの部屋はベッドルームと温泉がついた豪華なつくりです。

宇奈月温泉 延楽 濱田専務:
「海外のお客様は、やはりベッドがないでしょうかというお問い合せは一番にやはりベッド、その次には温泉ですね」

延楽ではコロナ以降、稼働する部屋を半数に減らし、人気のあった温泉付きの客室を増やして単価を上げようと、早々に方向転換しました。

さらに…。

延楽 濱田専務:
「こちらは宴会場だったんですけど、思い切ってコロナ禍で団体のお客様が減っていくなかで、じゃあどうやって変化していくかというところを考えた結果です」

団体向けの宴会場を、もともと旅館が所蔵していた美術品を展示したラウンジスペースに変えてしまいました。

延楽 濱田専務:
「国内の人口が著しく減少しているなかで、外貨を稼ぐという部分では外国人観光客というのは非常に大事になってきます。旅館の和の空間のなかで日本の美術を鑑賞していただくことは、観光するときの体験の満足度につながるんじゃないかと期待があるので…」

このほか売店も、県内作家の工芸品を取り揃え和の雰囲気を充実させることで購入意欲をかきたてるよう改修しました。

延楽では、コロナ禍で売り上げが6割ほどに減り負債を抱えながらも、こうした外国人や個人客を意識したモデルチェンジに投資してきました。