春の足音が聞こえてきましたがこの季節に多くの人を悩ませるのが花粉症です。富山県森林研究所によると来週がスギ花粉の飛散開始予想日です。すでに症状が出始めている人もいるのではないでしょうか。今注目されているのが、スギ花粉を体に覚えさせる薬。自ら“実験”して症状が改善したという医師が解説します。

医師:「スギ花粉が、敵じゃなくて味方だよって体に覚えさせようとするのがこのお薬の仕組みなんです」

花粉症の最新医療を取材しました。
1998年と2019年における世代別の花粉症の症状がある人の割合。どの世代も20年間で増えています。

原因は環境汚染による空気中の汚染物質の増加で、花粉症をはじめとした様々なアレルギー症状を発症する人が増えたからと考えられています。中でも影響を受けやすいのが高齢者と子ども、増加が顕著です。

この春、小学生になる6歳の女の子が花粉症を発症したのは3年前でした。母親が娘の症状に気づきました。

母親:「よく目をかいてて。かゆそうだなって。そのときは鼻じゃなくてほとんど目のかゆみで、かゆいなみたいな、ずっとこうしていて(目をこする動作)」

実は母親も花粉症です。花粉症になりやすい体質は遺伝する場合もあるのです。6歳の女の子は、血液検査でスギ花粉症と診断されました。

診察にあたった「かとうこどもクリニック」の加藤泰三医師。女の子には最新治療を勧めました。

かとうこどもクリニック 加藤泰三医師:
「舌下免疫療法というスギ花粉症に対する治療薬が出てまいりました」

舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)。
文字通り、舌の下に錠剤を置き、薬を溶かして摂取する治療法です。

加藤医師:
「この錠剤1錠の中にスギの花粉から抽出したエキスが含まれておりまして、それを1日1回、口の中に含んで飲むことによってスギ花粉を治そうという治療が始まりました」

花粉症の人が、あえてスギ花粉のエキスを摂取するのです。