「GoToトラベルで安くホテルを利用できたので甘えてしまって…」。常習累犯窃盗の罪に問われた60歳の男は法廷で、刑務所から出所した後に空き巣をしながら、GoToトラベルを利用してホテルに宿泊していたと証言しました。
出所直後は、ハローワークで仕事を得ようと考えていたという被告ですが、テレビ電話形式の就活についていけず、市営住宅や更生保護施設にも入れず、再び“常習犯”の道に落ちてしまったようです。

溝辺直樹被告:「当時は非常にお腹も減っていて、疲労困ぱいで歩いていました」

2022年11月午後11時45分ごろのことです。意識がもうろうとしながら、スーツケースを引いて、富山市内を徘徊する白髪の男がいました。住所不定、無職の溝辺直樹被告、60歳。窃盗事件で服役後、2ヶ月前に金沢刑務所を出所したばかりでした。

溝辺被告には腰痛の持病がありました。所持金は3488円。出所当時にあった36万円の金は底をつこうとしていました。金が欲しいと考えいたところ、歯科医院が入った雑居ビルが目に入ってきます。

溝辺直樹被告:「腰痛持ちの私でも侵入できそうな物件を発見しました」

溝辺被告は、周囲を探して手に入れた工具で窓を割り、歯科医院に侵入。現金1万円を盗んだとされています。

2月20日、富山地裁で行われた裁判。溝辺被告は法廷で、金沢市や富山市のホテルやインターネットカフェを転々としながら同じような窃盗を繰り返したと証言しました。盗んだ金の使い道の1つが…。