日本の新たな主力ロケット「H3」が17日に打ち上げられる予定でしたが、補助エンジンのトラブルで中止となりました。実はこのロケットには自動車部品を作る富山県の田中精密工業と、子会社のタナカエンジニアリングが生産した部品が搭載されています。その部品には「F1」で培った技術が応用されていました。

H3ロケット1号機の打ち上げを見守る富山市の技術者たち。ロケットのエンジン部分の部品を製造しました。

田中精密工業と子会社のタナカエンジニアリングの技術者たちは、2014年に宇宙プロジェクトチームを発足。そもそもグループ会社は自動車部品が専門で、高速で疾走する「F1」マシンの部品も手がけていました。その精鋭の技術者ら40人が招集され、プロジェクトチームのメンバーとなりました。

初めての宇宙航空事業。

F1で培った技術はあるものの、部品が出来上がるまでには5年という長い歳月がかかりました。

タナカエンジニアリング 
杉本匡志 航
空営業課係長:「元々、自動車関連部品を製造しているメーカーですので、まずはやはり三菱重工さんに当社の技術をどれくらい出来るかを知ってもらわないといけないというところで、それを認めてもらって初めて、使っていただける。我々の技術を知っていただく5年間でした」