24日夕方、富山市で児童31人を乗せたスクールバスが、踏切内で立ち往生する事故がありました。接近していた貨物列車は踏切手前で緊急停止し、幸いけが人はいませんでしたが、あわや大事故につながりかねない事態でした。当時、何があったのか、現場を取材しました。

高橋優吾アナウンサー
「児童たちを乗せたスクールバスは、こちらの踏切内で停車したということです」

富山市教育委員会によりますと、現場は、富山市水橋伊勢屋にある、あいの風とやま鉄道の「伊勢屋踏切」で、24日午後4時ごろ、義務教育学校・水橋学園のスクールバスが踏切に進入したところ、遮断機が下りて、踏切内で停車しました。

スクールバスの運転手がバスを降りて踏切の非常停止ボタンを押し、接近していた貨物列車は踏切の手前で緊急停止しました。

スクールバスには、下校途中の小学4年生から6年生までの児童31人が乗っていて、運転手は、非常停止ボタンを押した後、児童たちをバスから降ろし、踏切の外に避難させたということです。

児童と運転手にけがはありませんでした。

目撃した人
「貨物列車が停まっていて、(踏切を)渡れなかったから遠回りして、帰ってきました」「子どもが車の中から『なんか止まっとるが見えた』と言ったんで、『ああほんとだ』。長い貨物列車停まってた」

スクールバスは、事故のおよそ5分前に水橋学園を出発していて、踏切を越えて北側に向かっているところでした。

接近していた貨物列車は、水橋駅方面に進行中、踏切のおよそ400メートル手前で緊急停止したということです。

子どもたちが避難を終えたあと、現場で対応したという女性は、次のように語りました。

対応にあたった女性
「子どもの方のところで私が声をかけて。(子供たちは)『どうするの、どうするの』とか『もう帰りたい』とか」「(遮断機の棹を)上げて。横にもう一人が上げて、(バスを)移動させていた」

小学5年生の孫が、スクールバスに乗っていたという女性は次のように語りました。

バスに乗っていた児童の祖母
「帰ってきてすぐに『ああ、怖かった』って言ったんですね。遮断機が下りてきて、すぐに運転手さんが『あっ』って非常ボタンを押し。(孫は)降りるときに緊張して、バスから降りたときに足をコンクリートに打ち付けてすりむいていたのと、一緒に乗っていた子が大泣きして。安心したんだと思いますけどね、『大泣きした』いうて」

踏切内で停車したスクールバスは、最大82人乗車できる大型バスで、富山市のアイカワが運行事業を担っています。

富山市教育委員会は、運転手の性別や年齢などは明らかにしていません。

富山市教育委員会がアイカワ側に確認したところ、バスは一時停止をしてから踏切に進入したということですが、なぜ、踏切内で立ち往生したのかや、踏切に入る際に警報機が鳴っていたかどうかについては調査中としています。

また事故後の調査では、車両に異常はなかったということです。

交通事故に詳しい専門家は、踏切の中に閉じ込められる一般的な要因について。

交通事故鑑定ラプター 中島博史さん
「遮断機が下りてしまって脱出できなくなるという状況というのは、通常は、本来、警報機が鳴っていて入ってはいけない状態なのに、遮断機が下りていないから入ってしまって、出るタイミングの時に遮断機が下りてしまった場合か、踏切に進入したんだけれども、出口側が渋滞等で自分の車体が踏切から出るだけの余裕がないところに進んでしまった、踏切の中に取り残されている状態、進めない状態で、遮断機が下りてしまうようなケースがあります」

今回の場合、非常停止ボタンを押す対応自体は間違っていないとしたうえで…。

交通事故鑑定ラプター 中島博史さん
「お子さんを預かっているという非常に責任が重い状態ですから、より安全な方に判断をしなければいけないところ、そもそもそういう事態に陥るというところを避ける運転をすべきだったと思います」

水橋学園のスクールバスは、25日も通常通り運行していて、児童の心のケアのため、学園に臨床心理士を派遣しました。

富山市教育員会は、事故の原因を詳しく調べるとともに再発防止につとめたいとしています。