「36協定」が定める上限 過労死ライン上回る

長時間労働と慣れない業務、上司からの厳しい叱責で精神疾患を発症した優貴さん。現地着任から3か月後、高さおよそ30メートルの建物から飛び降り、自ら命を絶ちました。

上田さんは海外での時間外労働について月45時間以内に収めてほしいとしています。

労働基準法第36条に基づく労使協定、いわゆる「36協定」。その特別条項では時間外・休日労働の合計が月100時間未満となっています。

毛田千代丸キャスター
「遺族弁護団の優貴さんが亡くなった直前の1か月の算定だと残業時間が、時間外が149時間に上っていたと。ここはかなり重要な部分だと思っていまして。会社側では特別条項でどこまでを許容するおつもりなのか。どういう認識なのか伺いたいです」

カナデビア 人的資本ウェルビーイング推進部 山口貴弘部長
「1か月45時間以内。またそれを超える場合は上限95時間という上限規制の協定を会社としてはいわゆる36協定ですね。設けております。会社としては特別条項の適用がないように、45時間の中で収めるという方向性はもちろんあります。ただ現実としてそれが全てできているかというと、まだできてない状況であるっていうのも確かです」

カナデビアでは海外派遣者についても特別条項による時間外労働の上限を月95時間としていて、過労死ラインと言われる80時間を上回っています。

金沢大学 早津裕貴教授
「国内でもですね。過労死、いつしてもおかしくないという時間数の設定になっている。増してや慣れない環境での長時間労働というのは非常にリスクが高い。さらに国によっては過酷な気候状況。95時間というのはやはり長すぎるのではないかと」

そのうえで早津教授は残業ではなく人員配置で対処すべきだと指摘します。

金沢大学 早津裕貴教授
「そこまでの長時間の残業が生じないように人員配置を工夫するとか。増員をしてシフトをもっと分けて少しでも1人当たりの時間が長くならないとかですね。そういった工夫の方が先に必要になってくるのかなと思うところですね」