仕入れ値が1.5倍に…正月の餅に影響か

針供養の風習のひとつ「針歳暮」。
富山特有の風習とされていて結婚して初めての針供養の日に、妻の実家から嫁ぎ先などに大福餅を贈り幸せを願うというものです。

まだ薄暗い、8日の朝6時半ごろ。
滑川市にある菓子店「せんぼ製菓舗」では、この大福が急ピッチで作られていました。

つきたての餅を、会長の千保一郎さんが、手の感覚を頼りに同じ大きさになるようちぎっていきます。
せんぼ製菓舗 千保一郎会長
「違っても何グラムだと思います。手が『はかり』」
8日は6人がかりで約500個の「針歳暮」を作り、店頭での販売に加えて市内のスーパーにも卸したということです。
しかし、いまこの店にピンチが。
せんぼ製菓舗 千保一郎会長
「いま餅がかなり高くなる」
せんぼ製菓舗では、もち米の仕入れ値がことし10月に入ってから1.5倍に上昇。
針歳暮の価格は、もち米の量を減らして価格を抑えたものの、正月餅などは値上げせざるを得ない状況だといいます。

せんぼ製菓舗 千保一郎会長
「お客さんに申し訳ないという気持ちと、やっぱり農家さんのことを思えば、我々もね考えて上げなきゃいけない部分もあるでしょうし」
値上がりは仕方ないと思う一方で――
せんぼ製菓舗 千保一郎会長
「これだけ上がったら、買い控えは覚悟しています」
JA全農とやまによりますと、ことしのもち米の概算金は60キロあたり2万8000円と、前年より1万1000円上昇しています。

県は追加の11月補正予算案に食品製造の事業者が原料として仕入れる県産米の値上がり分を支援する費用も盛り込んでいて、その中には、もち米も含まれるということです。
正月餅のシーズンを前に直撃したもち米の高騰。
千保さんは買い控えにより餅離れが進むことを懸念しています。
せんぼ製菓舗 千保一郎会長
「餅っていうのは、人間の人生の中に全部ついて回っとんがですよ。誕生餅から始まって節目節目の。それが餅の文化やし、こういうのが私たちは大事にしていきながら、なるべく安く皆さんに食べていただくように、がんばっていきたい」










