高い観光ポテンシャル…官民でアイデアを
そのうえで、行政にはどのような役割が求められるのでしょうか。
富山大学 中川 大 特別研究教授
「社会資本として鉄道施設を守っていく、そして公共サービスとしてもっと便利な鉄道にしていく責任はあるとしっかりと表明をして。しっかりした枠組みができて、一緒に協力し合いながらやっていきましょうという提案であれば、両方とも納得できるのではないか」
富山県内では、これまでも、赤字路線だったJR西日本の富山港線を富山市が路面電車化した「富山ライトレール」のように、行政が積極的に地域交通の存続と利便性の向上に取り組んできた事例があります。

中川特別研究教授は、市街地を通って立山黒部アルペンルートや黒部峡谷などの全国有数の観光地につながる地鉄のポテンシャルは、全国の地方鉄道の中でも高いと話します。官民一体で取り組むことで、利便性が向上して利用者が増加する可能性は十分あると見ています。

富山大学 中川 大 特別研究教授
「地鉄は(これまで)安全で確実に運行するところに集中せざるを得なかったという面があるんじゃないかというふうに思うんですよね。ですので、お客さんをもっと増やすとか、もっと収入を伸ばすとかという点については、行政と一緒になることで、かなりたくさんのアイデアが出てくる可能性がありますので、官民が共同してやることで、いい方向を目指すことはできると思います」
年内に答えを出したい地鉄と、議論に時間をかけて住民の理解を得たい沿線自治体。路線を守り住民の納得が得られる前向きな道筋は描けるのか、リミットが迫っています。












