“乗り越えた仲間”がいる…新しい胸と歩む
術後一週間。
佐武利彦 医師
「どうですか?」
30代女性
「順調です、問題ないです」
佐武利彦 医師
「痛みとかないですか?」
30代女性
「痛みないです」
佐武利彦 医師
「今後腫れがひくと、乳頭の位置とか皮膚が下にたわむので、ちょうどいい感じに近づくかなと思います」
取材した舟本真理キャスターが実際に触れてみると、温かく、手術をしていない左側の胸と変わらない感触でした。
舟本キャスター
「あったかいです。左側の胸と変わらない」
富山大学附属病院 形成再建外科・美容外科
佐武利彦 医師
「患者さんが元気になって帰って、まだ見せにきてくれる。そのときが嬉しい。乳がんを克服し日常生活や仕事に復帰できて、元気で過ごしてもらえるのが嬉しい」
患者の人生を取り戻す瞬間を支えたい。女性は佐武医師の思いに背中を押され、もう一度自分らしく生きるという決断ができました。

愛知県在住 30代女性
「自然で触れると温かみもあって、自然な胸ができていて嬉しかったです。先生を信頼してやってよかったなと今は思っています。もし今、乳がんと闘う中で絶望の中にいる人がいたら、乗り越えて、幸せに暮らしている人がいることを伝えたい。“仲間がいる”ということを知ってほしいんです」

<取材後記>
佐武医師は「再建によって、ようやく乳がんから解放されたと話す患者も多い」と話していました。
乳房再建は、胸の形を戻すだけでなく、もう一度「自分らしく生きる力」を取り戻す治療です。
一方で、地域によっては手術を受けられない現状もあります。
どこにいても、希望する人が再建を選べる体制が整ってほしい。
取材を通して、そう強く感じました。
「今悩んでいる人に“乗り越えた仲間がいる”と伝えたい」女性のその言葉は、きっと同じ悩みを抱える誰かの背中を優しく押してくれるはずです。
(キャスター 舟本真理)