16世紀に南米で生まれたあるスポーツの教室が富山にあります。中川環アナウンサーの体験リポートです。
中川環アナウンサー:
「高岡市の公民館にやって来ました。きょうは、こちらで、ある国の伝統スポーツを体験します!」
公民館にはたくさんの子どもたち…。空手やテコンドーとも違うように見えますが、このスポーツは?
子どもクラス参加者:
「カポエイラ!」
音楽、ダンス、格闘技が融合した南米ブラジルの伝統スポーツ「カポエイラ」。
その歴史は古く、16世紀にアフリカからブラジルへと渡った黒人奴隷が、厳しい生活を生き抜くためにダンスをしているふりをしながら格闘技を訓練していたのが始まりです。
現在は、世界160か国で楽しまれています。
そんな「カポエイラ」を高岡で教えているのが、ゲトカポエイラ日本支部代表の池崎雄一さん。
池崎さんは石川県出身。高校生のときに、テレビでカポエイラを知ったことがきっかけでその魅力にとりつかれ、卒業後、単身でブラジルへ修行に。
日本でも広めようと2006年に、カポエイラの教室を地元石川で開講し、2010年には、富山県高岡市でも教室を開講。
これまで世界中で3000人以上にカポエイラを指導してきたといいます。
ゲトカポエイラ日本支部代表
池崎雄一さん:
「僕のグループから育っていった子たちが男性アイドルグループにもなっていっていますし、色んな方面で活躍していっていますね。」
「カポエイラ」と他のスポーツとの大きな違いは勝敗がないこと。
子どもクラス参加者:
「(Q:魅力は?)声で会話するのではなくて、蹴りで会話できるところです。」
蹴りやアクロバットの技を繰り出したり、かわしたりすることで相手とコミュニケーションを楽しむといいます。
母親と子ども:
「皆と色んな攻撃をしたり、色んな歌を歌うところです」
「家でもちゃんと練習してくれるし、毎日楽しそう。学校でも練習しているみたいで」
こちらの男の子はー。
子どもクラス参加者:
「何回特訓するかというところです」
「お家でです」
「(Q:どれくらい練習していますか?)ブリッジ10周です」
技を決めるために、努力は惜しみません。
子どもたちに負けないように、そして、正月でなまった体に活を入れるべく体験させてもらいました。
基本的な動作を習ったあとは、アクロバットを決めるために欠かせない逆立ちのトレーニング。
「え~バランスが。これ足開いちゃう」
「無理~無理~無理~」
「これは大変」
動きを一通り習い終え、最後は技を魅せ合うミニゲームに挑戦です。陽気なリズムに合わせながら即興で技を繰り出します。
中川環アナウンサー:
「難しい、楽しいですね」
「相手に合わせたり、合わせなかったり、予測不能な動きに対応していくのが楽しかったです」
ゲトカポエイラ日本支部代表
池崎雄一さん:
「技が得意な人もいれば、歌が得意な人もいるし。得意なところを見つけていけると、もっと好きになっていって、色んな個性を出して良いよというところも。だんだん面白くなっていくかなという感じです」
勝ち負けがなく、相手との対話を楽しみながら個性を尊重するスポーツ、カポエイラ。新たな自分の才能を見つけられるかもしれません。