午前の症状が重く 朝から学校に通えない…
検査方法には「新起立試験」というものがあり安静時と起立時の血圧や脈拍の変化をみることで病気を診断します。

この病気は思春期に多く、成長期によるホルモンバランスの変化、環境的ストレスや生活リズムの乱れなど様々なものが関係しているとされています。
こちらは、ことしの春から起立性調節障害に悩む中学2年生のBさん。

起立性調節障害に悩むBさん(中学2年生)
「朝に起きられなかったり、腹痛とか吐き気、頭痛があって。学校も結構遅刻して最近は部活も行けていない。治るか全然分からないし不安です」
起立性調節障害は、午前中に体調が悪く午後に元気になってくるのが特徴のひとつで、Bさんのように症状が重い子どもは朝から学校に通えないケースも多いのです。

その症状から「病気」ではなく「なまけ」や「さぼり」と誤解されることもよくあります。
Bさんの母親
「(病名が分かるまで)普通に『なまけている』というふうに、ストレートに思っていました。吐き気やめまいなど、そんな酷い症状があるとは全く思っていなかったので。午前中は起きられない、だけれど午後になると元気になる。その症状が私自身も経験したことがないので、本当に?みたいな」

こうした誤解が症状を悪化させる要因にもなると、吉崎医師は指摘します。
真生会富山病院小児科 吉崎達郎医師
「朝起きないと保護者もどうしても心配してイライラしてきたり、そこで親子関係がぎくしゃくしてくる。子どもは敏感に察知しますので、そういったストレスは自律神経に良い影響になりません。なおさら悪循環になります」
Bさんは現在、病院で処方された血圧を上げる薬や整腸剤、漢方薬などを飲み、症状の改善を目指しているということです。