富山県入善町で海洋深層水を活用したサーモンの陸上養殖事業が始まります。総合商社の三菱商事と食品メーカーのマルハニチロが新会社を設立して町に養殖施設を建設し、年間2500トンを生産、5年後の出荷を目指します。

これは富山県と入善町が共同会見で明らかにしたもので、会見には三菱商事とマルハニチロの担当者も同席しました。

サーモンの陸上養殖は入善町下飯野に養殖施設を建設して行われ、海洋深層水と地下水を循環させる大型の水槽を並べ、天候に左右されない安定した生産につなげます。

施設では、年間2500トンを生産する計画で、総事業費は110億円を見込んでいます。三菱商事はノルウェーのサケ・マス養殖大手のセルマックを買収、マルハニチロもマグロなどの養殖を手掛けており、両社は18日それぞれのノウハウを生かして養殖に取り組む合弁会社「アトランド」を入善町に設立しました。

入善町は2001年から海洋深層水を使ったパックご飯の製造やカキの畜養に取り組んでいて、豊かな水資源と養殖に適した水温の低さが事業誘致の決め手となりました。

入善町 笹島春人町長:
「入善町で育ったサーモンを地元をはじめ国内外で流通するなどの地産地消型のビジネスが実現されれば、入善サーモンという新たな特産物が生まれることになります。地方創生。町といたしましては富山県と一緒になってサーモンの陸上養殖事業に精いっぱいの支援をしてまいりたいと考えております」

養殖施設は2025年に稼働予定で、2027年に初出荷を目指します。