黒部市宇奈月温泉の老舗旅館「お酒のお宿 喜泉」を経営する「喜泉閣」が事業を停止し、事後の処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入っていることが東京商工リサーチ、および帝国データバンクの調べでわかりました。負債総額は約8億円とみられます。

喜泉閣は1926年(大正15年)頃、温泉旅館「喜泉閣」として創業し、1952年(昭和27年)に法人化、創業100年近くにおよぶ老舗旅館として知られています。

客室はすべて黒部川に面し、自然の造形美を満喫する旅館で、最盛期とみられる1995年8月期は売上高約8億5000万円を計上していました。

その後は個人消費の冷え込みや同業他社との競合から低迷、新型コロナ感染拡大の影響で宿泊客は急減、2024年8月期の売上高は約2億600万円に落ち込んでいました。

設備の老朽化を受けて大規模な修繕が必要となる中、従前からの借入金が重荷となるなか資金調達も困難となり事業継続を断念したとみられます。

負債総額は約8億円で金融債務が多くを占めるとみられています。