原子力規制委員会は13日から2日間の日程で石川県志賀町にある北陸電力・志賀原子力発電所の断層の現地調査を始めました。原発の再稼働を目指す北陸電力にとって、長年続く断層の審査が山場を迎えています。
記者:
「こちらは、原発に最も近い活断層、福浦断層です。現在、形状の確認が行われています」
この現地調査は志賀原発2号機の再稼働に向けた安全審査の一環で、原子力規制委員会の石渡明委員や規制庁の職員が、原発の敷地内やその周辺の断層を調査します。
初日は原発の東側およそ1キロに位置する「福浦断層」の断層面を確認し、その形状や全体の距離を確認しました。
志賀原発2号機をめぐっては2014年に安全審査を申請。2016年に規制委員会の有識者調査団が、敷地内の一部の断層について活断層の可能性があるとの評価書をまとめました。
国の新たなルールでは原発の重要施設を活断層の上に設置することはできません。志賀原発の敷地内断層の活動性を焦点に、安全審査の会合で6年にわたり議論が続いています。
北陸電力:
「断層の位置はこちら、この赤色のピンが打ってある位置になります。この断層は福浦断層西側に対応する断層と評価をしています」
今回の現地調査は、去年11月に続き2回目です。調査した「福浦断層」は原発に最も近い活断層で、断層の距離などが志賀原発の耐震設計などに影響を及ぼします。
北陸電力は「福浦断層」の距離を3.2キロと見ていて、石渡委員らは「福浦断層」の南側で断層の走りを調査しながら、南の端がどこになるのかを確認していました。
初日の調査を終えた石渡委員は。
原子力規制委員会 石渡 明委員:
「大体あの(福浦断層の)南の端がここであろうということについてはかなり詰まってきました。ただ、なかなかここには断層がありませんという証拠になる地質学的な記述が十分でなくて、それについては今後、審査会合の場できちんと資料を出してもらって、そこで最終的な判断をしたいと思っています」
現地調査は、14日は原発敷地内の断層を調査するほか、北陸電力が新たに提出した断層の薄片試料を確認します。