生産者は好意的にとらえる

一方、”日本最北端のみかん生産地”といわれている富山県氷見市灘浦地区。

特産の灘浦みかんの農家は全国的なみかんの高値を好意的にとらえています。

灘浦みかん生産者 坂本男蔵さん
「生産者側とすれば嬉しい。全て上がっているので。燃料にしろ消毒薬にしろね。いってこいじゃないですか」

主要産地の出荷量が減っているなかで、富山県西部の氷見市灘浦地区では、今シーズンの出荷量は例年並みの5トン。例年以上に糖度も高く、上々の出来だったということです。

坂本さんは近年の温暖化で、太平洋側の主要産地より北に位置する灘浦の方がミカンの生育に適した気候になっているのではと考えています。

全国的な出荷量減少のうらには後継者の問題もあります。

氷見市地域おこし協力隊 布施直樹さん
「後継者がいなくて、(若い人の)多くの人がサラリーマンになってしまう。いままでたくさん作っていたみかん園が荒廃農地化している」

そのうえで今のミカンの高騰を近年の後継者不足を打開するチャンスだととらえています。

氷見市地域おこし協力隊 布施直樹さん
「みかんの高値が続いていってもらえると、これなら仕事としてやっていけるということになれば、次の世代の人たちがみかん園を受け継いでやってくれるのでは」

家計にとっては頭の痛い食品の値上げ。一方、生産者は後継者不足の解消など将来的な農業の発展に期待を寄せています。