バドミントンの男子ダブルスで日本初となる世界ランク1位に輝いた富山県高岡市のトナミ運輸の保木卓朗(ほき・たくろう)・小林優吾(こばやし・ゆうご)ペア。このホキコバペアの強さ、そしてその力の源に迫ります。

9月20日に発表されたバドミントンの世界ランキング。男子ダブルス界の頂点にのぼりつめたのが、トナミ運輸の保木卓朗・小林優吾ペアです。世界ランク1位は日本の男子ダブルス界で初の快挙。去年のワールドツアー・ファイナル、そして世界選手権で日本勢として初優勝を果たし、その後も数々の世界大会で上位を保ちつづけたことが高い得点につながりました。

小林選手:
「実感はまだあまりないんですけど、やっぱり1位になって非常に嬉しいですし、これからが本番なのかなっていうふうに自分は思ってます」

保木選手:
「自分たちは最低でもベスト8っていうところを常にキープしてて、その中でも優勝とかを何回か繰り返して、そういう積み重ねがこの1位につながったんじゃないかなというふうに思います」

2人の快挙に、「ソノカム」ペアとして世界ランク最高2位だった園田啓悟(そのだ・けいご)選手も。

園田選手:
「率直にすごいというのが一言ですね。彼らは攻撃にしても、守備にしても本当にトップクラスで、現世界ランキング1位という立場で、本当に素晴らしいプレーをしてくれるので、本当に頼もしい存在です」

右利きの保木選手と左利きの小林選手。互いの特長を理解し、プレーに生かしています。機動力と展開力に富む保木選手は、フェイントやプッシュを巧みにつかいこなし、クレバーな配球を見せる前衛プレーヤー。

後衛の小林選手は切れ味鋭い強烈なスマッシュが武器で、勢いにのると、誰も止められません。

2人は中学生のときから同じ学校のバドミントン部。3年生からペアを組み、高校ではインターハイで優勝。そろってトナミ運輸に入社し、これまで12年間のバドミントン人生をともに歩んできました。

小林選手:
「関係性もずっと一緒で、友達から入ったんですけど、今はもうそれを通り越して兄弟みたいな感じになってきてます」

保木選手:
「自分もですけど遠征とかでも常にふざけ合ってるみたいな感じの関係がやっぱ長く続けられる秘訣かなというふうに思います」

記者:
「2人で一緒にシャワー入るって?」

小林選手:
「海外の遠征とか早い者勝ちなんで、奪い合いで、結局2人で入っちゃうっていう。1人用ぐらいのところでもうギュウギュウで」

保木選手:
「全裸になって、どっちが先にシャワーを浴びるかっていう争い事をしてます。ほんとガキみたいです俺らは。大人になれません。(記者:もうご家族よりも一緒に?)そうですね。もう全然長いです、親よりも長いんで」

コートの外でも、ずっと一緒の2人。「こんにちはー」

保木選手はおととし2月。小林選手はおととし5月にそれぞれ結婚。ともに第1子に恵まれ、新米パパとしても奮闘中です。

「世界選手権で優勝だぜ?見てこれ」「いえーい、これ1番のやつ。おにぎりみたいね」

保木選手:
「子ども生まれてから自分たちも強くなったんで。結婚しても強くなったんですけど、さらにパワーアップしたんで。家族ができるってすごいなって思いますね」

妻・里羅さん:
「子どものために頑張っているなっていうのは、練習結構見に行かせてもらうんですけど、見えますね」

保木選手:
「早く帰るようになりました、俺は。小林は居残りしても俺は早く帰るようになりました。お風呂担当なんで、すぐ帰っていれないといけない」

小林選手:
「帰ってきたらすぐだっこして、(頭の匂い嗅ぐ)こうやってしてます」

小林選手:
「「パパー」って応援して、終わった後に「頑張ったねー」とか「すごかったよ、かっこよかったよ」って言ってもらう、そのためだけにいまは頑張ってます」「家族と一緒に過ごす時間が、自分にとってはまた次の試合を頑張れる。力の源っていう感じですね」

家族の存在を力に変えて。「世界一のパパ」であるために、2人は戦いつづけます。

小林選手:
「オリンピックレースも来年から始まるんですけど、自分たちのプレーをもっともっと精度を上げていけば、パリオリンピックにも出られますし、メダルも取れる自信があるので、そういう意味では今年も非常に勝負の年なので、今年から少しずつ自分たちの精度を上げていきたいなというふうに思います」

保木選手:
「世界ランク1位になったことで、相手は向かってくると思うんですけど、そのなかで自分たちも受けるんじゃなくて、自分たちもチャレンジャーの気持ちでやっていくことが、やっぱりこれから1位をキープするためには必要かなというふうには思うのですけど。相手にホキコバと当たったらもう絶対勝てねぇって思わせるぐらい、自分たちが最強にならないといけないのかなというふうに思うので、最強を目指して、頑張っていきたいと思います」