■より老朽化が深刻な市庁舎
この問題に注目する魚津市議会の会派に話を聞くと。
魚津市議会 寺口智之議員:
「公共施設の中での全体の計画っていうのとの全体のさじ加減なので、市庁舎も造らんなんし、プールも造らんなんし」

魚津市議会 石﨑一成議員:
「修繕に関わる項目が予算にあがってくると、修繕をかけて後何年使うんですかっていうところとか」

しかし、魚津市の懐事情は厳しく、市の貯金にあたる「財政調整基金」は、2018年度末に県内最少の2億6000万円に。
その後、財政健全化に取り組み、ことし計画を前倒しして目標を達成したところです。
市庁舎は水族館より古い築55年。公共施設再編の最重要課題で、2029年度までの整備を目指しています。

魚津市 村椿市長:
「両方いっぺんに同時並行にっていけるかどうかっていうのは非常に難しいことなんだけど、じゃあ市役所が建ってから考えますっていうのでは遅いと思うので、そろそろ今のうちからみんなでしっかり考えようと」

次の水族館を市民みんなと考えたいと、魚津市は、9月3日、ファーラムを開催しました。魚津水族館の学芸員が4代目水族館はどうあるべきか、現場で考えたアイデアを発表しました。

魚津水族館 不破光大学芸員:
「わくわくがとまらない!富山の自然とふれあえる体験型水族館にしたい」「好奇心が満たされた時こういう笑顔を見せてくれる、この顔が見たい。未来の魚津水族館はこのお手伝いをする」

マリンレジャーなども取り入れた屋外活動や、展示替えがしやすいように平屋のユニット型水槽を置くなど、次々とアイデアを提案しました。
フォーラムのパネリストで世界の水族館に詳しい大山卓司さんは、持続可能な水族館に向けては、行政だけでなく、市民や地元の企業との話し合いが重要と指摘します。
江ノ島マリンコーポレーション
大山卓司ゼネラルキュレーター:
「何も何百億円もかけたスーパー水族館を作る必要はなくて、造った水族館をどうやって将来につなげていけるのかお金・人・展示とかそういったものをトータルでちゃんと話し合いをして、大きな未来へ進んでいけるような施設を作っていただけたら」

稲村館長は「県内唯一の水族館」として、これからも調査研究を続け、富山の自然を世界へ発信する拠点としていきたいといいます。
魚津水族館 稲村修館長:
「すぐそこ行ったら(水深)1000メートルですからね、振り返りましたら3000メートル級の山があって。直線距離で50キロメートルぐらいの間に4000メートルの(高低)差があるのがここなんですよ。やっぱりいい場所なんです。富山を説明するっていう意味では」

刻一刻としのびよる3代目水族館の寿命…。
これからの時代にはどんな水族館が必要なのか、4代目に向けて本格的な検討を始める時期にきています。
