無理しなくてもいい…自分を否定しないこと

会食恐怖症を患っていた山口さんに転機が訪れました。大学へと進学し、歓迎会の食事会に出席したときのことです。

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長
山口健太さん「飲み物だけ飲んで、楽しく話せればいいっていう場合が多く、こういうふうな過ごし方でもいいんだなという経験が増えたんです。今までは、小学校で給食を全部食べるとか、高校のときはノルマの食事量を食べきらなきゃいけないとか、時間内に完食しなきゃということに自分はとらわれて、そうしなきゃいけないものだと思っていたし、食べられないやつはダメって思っていたので、そこでちょっと人と食事に行くというハードルが下がったんです」

また、飲食店のアルバイトをしたときは店の『まかない』が食べられませんでしたが、店の人たちに症状を打ち明けると、みんなが「無理して食べなくてもいいよ、練習だと思って食べればいいよ」と言ってくれました。

「会食恐怖症」について理解してくれる存在ができたこと、増えていくことで少しずつ症状は改善していきました。