争点は「強制わいせつ罪の成立」
今回の裁判の争点は「強制わいせつ罪が成立するかどうか」です。
真っ向から対立する双方の主張。起訴状によると、被告の3人は、五ノ井さんをベッドに押し倒して覆い被り、腰を前後に振って下半身を接触させたとされていて、これらが性行為を思わせるわいせつな行為にあたるとされています。
しかし、被告の3人は、
「腰を振ったが、笑いを取るためだった」(被告A)
「腰を振るような動きはしていない」(被告B)
「覆いかぶさるようになったが、下半身は接触していない」(被告C)
など、性行為を思わせるわいせつ行為はなかったと無罪を主張しています。
これまでの裁判で、事件当時同じ部屋にいた隊員は、わいせつな行為を見たと証言しました。
検察側は目撃証言は信用できると主張し、五ノ井さんの性的羞恥心を大きく害したと、被告らに懲役2年を求刑。
一方、弁護側は最終弁論で、わいせつな行為を目撃したという証言は変遷したものであり、信用性がないと強制わいせつ罪の成立を否定しました。
全国的にも注目が集まる判決は、12日午後に言い渡される予定です。
【これまでの裁判記事】
▼「腰を振る動きは笑いを取るため」謝罪から一転、被告3人が無罪主張【五ノ井里奈さん性被害事件・初公判詳報】
▼下半身は「離れているように見えた」元上司が証言 五ノ井さんは法廷で倒れる【五ノ井里奈さん性被害事件・第2回公判詳報】
▼「着衣越しに陰部接触」「キャバクラのようだった」元同僚の自衛官証言【五ノ井里奈さん性被害事件・第3回公判詳報】
▼「陰部の接触はなく、性的意図は一切ない」「腰は一度も振っていない」被告2人が主張【五ノ井里奈さん性被害事件・第4回公判詳報】
▼陰部の接触「絶対にない」被告が改めて無罪主張 五ノ井さん「許そうと思ったのは間違い」【五ノ井里奈さん性被害事件・第5回公判詳報】
▼元隊員3人に懲役2年求刑 被告は全員無罪主張 五ノ井さん「厳しく正しい判決を」【五ノ井里奈さん性被害事件・第6回公判】