子どもが急病でも、お互い様の空気感と顧客サービスの継続は、前もって手を打ち、かつ事態に即対応してこそできた。
それでも、お子さんが急病で仕事に行けないときは気まずい、とならないのでしょうか。
鷲谷さんによると、クレド(行動指針)に、働く前提として当たり前に起きることと前もって打ち出し、また、コロナ禍となり、実際に皆がそうなったため、空気感として柔らかいそうです。
「もちろん、ごめんなさい、ありがとうございますって言いますよ。ですが、お互い様だから大丈夫だよという空気は自然とできていたと思います、あとだしジャンケンにしなかったから。」
同社では、仕事の進め方の点でも、コロナ禍に直面したとき、85%の仕事はリモートでできる環境をコワーキングツールを導入するなど急ピッチで整えました。例えば濃厚接触者として在宅の際にもご自身が元気ならチームに参加することができたといいます。
福島で起業した意味について、鷲谷さんは語ります。
「私自身の原点から言えば、福島では、震災の頃に子どもが小さくて、自分のキャリアなんて完全に忘れて生きる数年間を過ごした女性に数多く出会ってきました。子育て女性の再キャリアは全国的な共通課題ですが、福島だからより深いと感じました。キャリアを中断した方が、それぞれの事情の許す範囲で働ける場をつくる事業は、福島から発信していく意味があると思っています。」

女性だけの会社なら穏やかな空気感になるとは限らないでしょう。女性だけの組織体で、パワハラやいじめの被害の声が上がることもあります。そこには、性別に限らずチームワークが機能するためのカギがきっとあります。

ビジネス・しごとを語る番組「BEECON」で対談した、ビジネス統計学の専門家、サトマイさんは、鷲谷さんから学ぶポイントを次のように指摘します。
「特に中小企業では、社長の強みが会社の強みになります。鷲谷さんの強みは、バックアッププランを用意するのがとても上手いです。行動指針をクレドとしてあらかじめ作っておく、1on1で方向性のすり合わせを浸透させる、コロナ禍でも仕事が止まらないように、リモートワーク環境をスピーディーに整えるなど、しっかり手を打っておられます。」
ワークシェアリングにおいては、顧客案件ごとにチームを組成し、メンバーを固定しない工夫もうかがいました。難しい事業を前進させる、フラットな組織には、鷲谷さんの優しい人柄と強い意識が反映していると感じました。
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※2023年11月現在