景観の悪化や災害への懸念が根強く残る中、30日に福島市の吾妻山周辺にある先達山のメガソーラーで、商業運転が始まりました。このメガソーラーは、およそ60ヘクタールの敷地に9万5000枚のソーラーパネルが敷き詰められ、1万6000世帯あまりの電力を発電します。

一方、地域の住民からは景観の悪化や災害への懸念に加え、反射光による「光害」などを指摘する声があがっています。

こうした状況を受け、福島市では「ノーモアメガソーラー」を宣言し、今年4月には、開発を規制する独自の条例を施行しました。また、景観については、事業者が示した当初の予測と異なることから、市は、その回復を求めてきました。しかし、これまでに、回復はされておらず、市は工事の完了届の受け取りを拒否しています。
市民団体は「新たな戦いが始まる」
午後に、事業者に改善を求めてきた市民団体「先達山を注視する会」が会見を開きました。商業運転開始について、事業者や行政から公式な情報公開が一切ないまま、「異様な雰囲気」の中で稼働したと指摘しました。

先達山を注視する会・梅宮毅共同代表「がっかりするとか、間に合わなかったとか、残念に思うとかはありません。これから先、戦い方が変わってくる。新たな戦いが始まるというのが、いまの気持ちとしては新しい」
団体側は、事業者の情報公開への姿勢などを改めて批判したうえで、許認可をめぐる行政の対応についても、苦言を呈しました。
梅宮毅共同代表「県としては市が認可しなかったら、我々も許可しなかった。でも市としては、自分たちは認可するところまでして、最終的な許可を下したのは県であると。なすりつけのようなところが終始みられるのかなと思っている」
団体は今後も、問題点を指摘し、事業者や行政に改善を求めていく考えを示しました。

一方、事業者はTUFの取材に対し「緑化工事や反射の検証は継続する。今後も市民のみなさまの声を大切にしつつ、発電所の安全かつ持続的な運営に努める」などとコメントしています。