東北最大級となる水産加工品の展示商談会が、26日から福島県郡山市で始まりました。処理水の海洋放出から1か月あまり、風評被害が心配されてきたなか、県外のバイヤーたちからは県産の加工品を評価する声が聞かれました。

小枝佳祐記者「会場には、県内外から多くの水産加工会社が出展し、全国各地から集まったバイヤー達と商談を進めています」

常磐ものの「アンコウの煮こごり」に、松川浦のアオサを使った加工品など、県産の水産加工品がずらりと並びました。26日、郡山市で始まった水産加工品の展示商談会。県内外の水産加工会社など、130社以上が出展し、東北では最大級です。

この商談会は、原発事故や処理水の海洋放出による風評払拭などにつなげ、三陸や「常磐もの」の新しい販路の開拓を目指します。

会場では、県内の出展者も魚の干物や加工品など自慢の商品を手に、その魅力を伝えていました。

いわき市の水産加工会社「いま食べてもらったのは、サンマなんですけど、他にも色々、最近は色々な魚種に挑戦している感じです」

8月24日に始まった処理水の海洋放出をめぐって、県産の水産加工品も風評被害が懸念されています。放出開始から1か月あまり、首都圏のバイヤーはいま常磐ものをどのように評価しているのでしょうか。

東京の市場関係者「常磐筋の干物などを扱わせていただいていますが、それが処理水放出前と放出後で、(商品の)出数は全く変わっていないです。お客様も正直で、安心安全、あとは常磐ものはおいしいという非常にシンプルな物だと思っています」

また、「常磐もの」は三陸産と並び、水揚げされる魚の質が良く、加工する技術も高いため、人気だといいます。

東京の市場関係者「それは如実に商品として表れているなという印象を受けまして、三陸すごいな、常磐すごいなと思っています」

県内の水産加工会社は、こうした現状を追い風に、常磐ものの魅力を広めて行きたいと話します。

おのざき・小野崎幸雄社長「逆に消費者の方から、頑張ってねっていう応援をもらっていますよね。ここに来た業者さんたちとタッグを組んで、次の新しい商品開発に向けていきたいなと思います」

処理水の海洋放出から1か月。「福島を応援したい」という声とともに、品質の高さを再評価する声が多く聞かれました。

県内の出展者からは「震災後は福島を避けるために産地を確認されたが、いまは福島を応援したい」と福島産か確認されるそうです。県外のバイヤーから常磐ものの品質を高く評価する声が多く聞かれたということで、魅力を広めるチャンスにしたいですね。