一筆に想いを込め、真っ白な画仙紙(がせんし)と対峙して心を整えます。
けれど、その雰囲気は・・・

心を一つに、全員で書き上げる。
その書は、自由闊達(かったつ)な高校生を連想させます。
帰宅部同然だった書道部が、書道パフォーマンスで目指したのは全国大会。
掲げたのは、部員が大切にしている言葉「感謝」。

郡山市にある郡山女子大学付属高校。
この日、揃いのチームジャージに初めて袖を通しました。
バックプリントは、一つの目標に向かって突っ走るシンボル。

青木麗菜先生
「部員はいたんですけど、中々活動するって感じではなくて。すごくもったいないと思って、書道パフォーマンスやってみたいなって思っていたんです。ちょうど書道部の顧問になったので、『書道パフォーマンスやってみない?』って部長に言ったら『やります』って部長が言ってくれたので、二人でみんなに言おっかって始まりました。」
先生の言葉に、はじめは戸惑った部員たち。
しかし、書道パフォーマンスには、心をくすぐられる何かありました。
橋本部長
「えっ?!ってなりましたよ、もちろん。でも興味はあったので、やりますってなりました。始めは3人しかいなかったんですけど、心優ちゃんの友達とかが興味を持っていてくれたみたいで、部員がどんどん増えていきました。」
無謀にも思える挑戦に、歩みを共にしてくれた仲間がいる。
それがなにより、力になりました。
集まった、部員は10人。
しかし、何をするにも、全てが未知の世界。

音楽に合わせて、演技を取り入れながら巨大な紙に書道をするパフォーマンス。
最後に立てて掲げるのが、ひとつのヤマ場です。
これが・・・
武田さん
「初めてだったので紙のつなぎ方も何にも知らない状態で、おっきい字ってどうやって練習するのとか、そっちの方が大変で。字の書き方は、最初は二の次だったかもしれないです。」
大会で使う紙のサイズは、縦4メートル、横6メートル。
きれいにつなぎ合わせ持ち上げるために、失敗の繰り返し。

ひとつクリアしても、また次の課題がありました。
メンバーにとって、ダンスも初めての経験でした。
藤原さん
「ほんとに救世主って感じです。ダンス苦手で、とっても苦手なんですよ。体が硬くて、マーチングの先輩たちに体をバキってやられながら、柔らかさを出すために頑張りました。」
パフォーマンスの部分を指導してくれたのは、今年度を最後に休部となる、マーチングバンド部のメンバーでした。
マーチングバンド部:渡辺さん
「書道部の子たちは、中々ダンスをする機会がないので、体の使い方とか教えるのを一番最初にやりました。」
美しく魅せるために指の先のしぐさには、特に注意が必要でした。
『あそこの壁タッチするぐらいに手伸ばして最後はバッってやってみて』
どれもが、感動を共有してきたワンシーンです。
マーチングバンド部:渡辺さん
「マーチング以外にも、書道部の一員になれた気持ちでやることが出来たので、すごいいい思い出になりました。」
そして、去年10月。
目標の大会。

ひとつひとつの記憶が走馬灯のようによみがえります。
テーマは「燦燦(さんさん)。」

初出場ながら、東北で2位。
「夢と希望の花」を咲かせました。
藤原さん
「1年がすっごいスピードで終わっていく感じです。ブゥーンって進んで、なんか・・・わぁみたいな、それくらい濃いですね。」
武田さん
「私たちはもう終わっちゃうんですけど、1・2年生の事をこれからも応援して、OGとして支えていけたらなっていう風に思っています。」
そして、先輩から後輩へ。
橋本部長
「これからもどんどん、新入生とか増えていってほしいなって思いますし、パフォーマンス甲子園にも出場してほしいなって思います。」
何をするにも、初めて尽くしだった1年。
それも青春の一ページ。
そして改めて思う、「書」は楽しい。
『全国大会目指して、頑張ります!』
『ステップ』
https://www.tuf.co.jp/general?id=147
福島県内にて月~金曜日 夕方6時15分~放送中
(2025年2月5日放送回より)