浜通りを中心に襲った記録的な大雨から、12日で4日です。福島県いわき市では12日も作業に追われ、復旧の長期化が懸念されています。浸水被害を受けた介護施設では、利用者を別の施設に移すなど、営業再開のめどは立っていません。

伊藤大貴記者「災害ごみがこのように前が見えなくなるほどびっしりと積み重なっています。こうしたごみの受け入れをきょうから一時停止したということです」

災害ごみの受け入れを停止した「馬場児童遊園」

背丈に迫るほどにまで積まれた家具や家電。いわき市の仮置き場に置かれた「災害ごみ」です。市内では、11日から6か所で「災害ごみ」の受け入れを始めましたが、このうち、内郷綴町の馬場児童遊園と、内郷内町の内郷内町公園が満杯となり、わずか1日で受け入れを一時停止しました。いまのところ、再開の見通しは立っていません。

内郷綴町で通所介護を行う「さくら樹デイサービスセンター」。大雨から4日が経ち、施設では浸水した壁をはがす作業が行われていました。

床上およそ60センチまで浸水し、多くのリハビリ器具が水に浸かりました。60代から90代の20人ほどが週2回利用していましたが、依然として復旧のめどは立っていません。

さくら樹デイサービスセンター・山崎祥子さん「みんな(泥水で)押されたので、全部倒れたりして、いすとか全部泥水にまみれてしまった」

気がかりなのは、利用者の健康維持です。現在、利用者は、系列の施設に移しましたが、十分な受け入れ態勢ではないといいます。

山崎祥子さん「向こう(別の施設)も人数がいっぱいなので、そこに全部を持っていくと器具類が使えないなどやれないことができてしまう」

また、施設の車3台も水没したため、いまはレンタカーを使い、利用者を別の施設に送迎しています。

山崎祥子さん「補助金とかそういう面では補助してほしい。器具類は結構値段もするので、まだ再開がいつになるかわからないが、できるだけ早く利用者の体力が落ちないように(再開したい)」

一方、いわき市は、市内3か所の入浴施設を12日から無料開放しています。対象となるのは、浸水被害を受けた人や避難所で避難生活を送る人、災害ボランティアなどです。入浴施設の無料開放は、30日まで行われます。

こうしたなか、福島海上保安部は、11日、いわき市勿来沖で発見した遺体について茨城県日立市の40代男性だったと発表しました。男性は、大雨で8日から行方不明になっていたということです。