福島の魚扱う料理人「私にもプライドがある」

「請戸のおいしい魚をもっとたくさんの人に食べてほしい。」川瀬さんがさらに去年4月から始めたのが、請戸で仕入れた魚の卸売です。

浪江町にある「ホテル双葉の杜(もり)」では、川瀬さんから仕入れた魚を提供しています。

ホテル双葉の杜・千葉成哉料理長「請戸の真鯛は今まで私が触ってきた中で一番品質が良いです。」

多くの料理人が認める品質の良さ、そして川瀬さんが自信を持って卸している請戸の魚ですが、こちらのホテルでは変化も。処理水放出後には、常磐ものの注文は半分以下になる日もあるなど、影響が出ていました。

千葉料理長「悔しいですよ。この地域のお魚を使わせてもらっている以上は私にもプライドがあるので、それ(請戸の魚)はずっと使い続けますね。」

日々、魚を扱う料理人たちが自信を持って扱う一方で、垣間見えた風評の現実。それでも、川瀬さんの熱意に共感し、二本松市や浪江町のホテルや旅館、飲食店など9つの取引先は今までと変わらず請戸の魚を仕入れています。

光雲閣・齊藤聖士料理長「魚に対する愛情みたいなのが異常なほど感じられるので、間違いないものしか持ってきてもらってないので、その辺に関しては本当に助かってます。」

川瀬さんが営む料理店で扱う魚のうち、9割は常磐もの。川瀬さんは、料理人として、そして仲買人としてそのおいしさを伝え続けます。

Q.おいしいですか?
客の50代女性「そうですね、自信があるからこそですね。」

客の70代男性「やっぱり請戸の魚って一番おいしい。請戸の魚を出してくれるってことを聞きつけて来たら、ほかに行けなくなっちゃった。」

海の雅かわせ・川瀬洋さん「検査しているのは福島県だけですから。安心安全、それは間違いない。請戸の常磐もののお魚を皆さんに食していただきたい。」

「この魚には自信がある」。請戸の魚をさらに多くの人に食べてもらいたい。川瀬さんはきょうも店に立って、自慢の魚と向き合っています。