福島市の飯坂温泉に新たな交流拠点となるカフェが誕生しました。店の名前には、かつてにぎわった温泉街への思いが込められています。

福島市の飯坂温泉、飯坂ホテルジュラクの目の前にある建物。中はおしゃれなカフェとなっていて、店の売りは地元の果物を使ったドリンクやパフェです。こちらのドリンクには、飯坂町で採れたリンゴのシロップが使われています。

井上和樹アナウンサー「リンゴの甘さとしょうがのほろ苦さが絶妙です。そしてどこか懐かしさを感じる味ですね。」

カフェの名前は、その名も「オノデラ百貨店」。なぜこの店名にしたのでしょうか。

オノデラ百貨店・小野寺大樹さん「曾祖母がやっていた洋品店の名前が小野寺百貨店という名前でして」

建物はおよそ30年前に閉店した「小野寺百貨店」という洋服店をリノベーションしました。店には当時の名残が今も残っています。

小野寺大樹さん「この天井は小野寺百貨店が建った時のものをそのまま活かしている。この柱も当時の柱をそのまま残して目立つところに配置している。」

小野寺大樹さん

店の名を受け継いだことには理由がありました。

小野寺さん「あえて昔の賑わいがあった時の名前に戻して、たくさんの人に愛してもらえればという思いでこの店名にした」

最盛期の1970年代には、年間170万人を超える観光客が訪れていた飯坂温泉。しかし、その後は観光客の数が減少し、おととしはおよそ39万人と最盛期と比べると4分の1以下にまで減少しました。

「温泉街に再び活気を…」そんな思いから小野寺さんは思いでの場所にカフェを作りました。

2階には飯坂温泉に興味がある企業などに使ってもらおうと「コワーキングスペース」も整備しました。

小野寺さん「様々な働き方を提案することで少しでも観光だけでなく働いたり暮らす場として飯坂を愛してもらえる拠点にしたい」

「温泉街の新たな交流拠点に」オノデラ百貨店は、7月23日にオープンします。