火事や救急の情報をいち早く消防に伝える119番通報。電話で言葉だけでなく、映像でも伝えるシステムの導入が福島県内でも進んでいます。現在、郡山市や福島市などで運用されている新しい取り組み。現場からより詳しい状況を伝えられる一方、課題も残されています。

指令センター「119番です、火事ですか?救急ですか?」
いち早く命を救うことにつながる119番通報。「119番の見える化」で、救命率の向上を目指すこの取り組みは、2019年から全国で導入が進められています。県内では、おととし11月から郡山地方広域消防組合で、6月からは福島市消防本部でも導入され、運用が始まりました。
「Live119」と呼ばれるこのシステムは、通報を受けた消防が「現場の映像が必要」と判断した場合に、通報した人のスマートフォンにショートメッセージで専用のアドレスを送信します。通報した人がアドレスに接続するとビデオ通話に切り替わり、音声と映像の両方で消防に現場の状況を知らせることができます。

郡山地方広域消防組合・蒲生弘消防司令長「映像を見た指令員から、的確な指示が受けられるというメリットがある」
郡山管内では、すでに具体的な効果があったといいます。
蒲生消防司令長「要救助者が呼吸をしているかどうかわからないという通報がありました。映像を映してもらい、指令員が呼吸をしていないと判断して、心臓マッサージをしてほしいという指導につながった事例があります」
郡山地方広域行政組合では、おととしの導入以来すでに35回の活用実績があり、「Live119」は、119番通報の「新たな形」となっています。
