「不妊治療はゴールのないトンネル」治療のため退職も

日本産婦人科学会によると、2020年にこの体外受精で生まれた子どもは、6万人あまり。この年に生まれた子どものうち、およそ14人に1人が体外受精で生まれています。

国は、去年の4月から治療の一部を保険適用としましたが、保険適用外の治療を併用した場合は、全額自己負担となります。

このため、福島県はこの春から、保険適用外の治療を行った場合に、30万円を上限に助成する独自の支援を始めました。

県子育て支援課 戸城陽子副課長「子どもを持ちたいと思われている方の希望をかなえたいと思い、不妊治療支援事業を進めている」

徐々に広がる支援。しかし、不妊治療をめぐる課題は、費用面だけではありません。

田中恵さん(仮名)「15週の安定期に入る直前に流産してしまってすごく悲しかったです。(不妊治療は)ゴールのないトンネルを進んでいる感じ

10年以上、不妊治療を続けている田中恵さん(仮名)。

いわき婦人科・菅原延夫理事長「卵胞を育てている状況なので、これから超音波で大きさや数を見ます」

24歳の時に卵巣を手術し、その翌年から不妊治療を始めました。しかし、週に何度も病院に通う必要があり、仕事との両立が難しくなりました。

田中さん(仮名)「頻繁に治療に通わなくてはいけないので、会社を休むことが多くて、自分が休んだら迷惑をかけてしまうという思いから一度正社員を退職しました」

田中さんはその後、治療に理解を示す企業に再就職し、現在は、仕事と治療を両立しています。

田中さん(仮名)「私の職場は割と理解があり、上長も理解してくれているので休みは今のところ取りやすいです」