この事故で妻(42)を亡くした男性は、検察側の席で、およそ25分間にわたり意見陳述を行いました。読み上げる紙を持つ手は、終始震えていました。

以下、男性の意見陳述(一部)

「ママはお空に行ったんだ。でも、2人のことはずっと大好きだって」

【事故当日の経緯】
11月19日土曜日の17時頃、妻から私のスマホに電話がありました。出たところ、女性の声で「奥さんが交通事故に遭いました。心肺停止の状態です。すぐに病院へ行ってください。」と言われました。

病院内に入り、その直後に医師から説明があると診察室に呼ばれました。医師からは「大変厳しい状況です。心肺が事故後、一度も回復していません。今後も心肺蘇生を続けます。ただし頭部に重傷を負っているので蘇生したとしても意識は戻りません。」と言われました。何を言っているのか理解が全く出来ませんでした。しかし、とにかく命を助けてくださいとお願いしたのは覚えています。

それから40分後ぐらいに医師から「これ以上は医療行為ではなく、奥さんの体を傷つけるだけになってしまいます。」と言われ、妻が処置されている部屋へ私のみが通されました。多くの医師や看護師に囲まれる中、傷だらけの妻がそこにはいました。

辛くて辛くて仕方ありませんでしたが、治療を中止することに同意しました。今この瞬間、大切な大切な妻の命が消えてしまった、子供達にとって大好きな大好きなママの命が消えてしまったと思うと、悲しみや辛さというような言葉では表しきれない絶望に襲われました。

その後、子供達を抱きしめ、「ママは今お空の上にいったんだ。でも、2人のことはずっと大好きだって。ずっと見守ってるからねってママはそう言ってたよ。これからも家族4人で仲良く過ごそうね。」と子供達に伝えました。