「緊急銃猟」行う4つの条件

「緊急銃猟」は、住宅密集地など「人の日常生活圏」での銃の使用を特例的に市町村長の判断で可能にする制度ですが、この緊急銃猟を行うには、4つの条件を全て満たす必要があります。

①人の日常生活圏に侵入しているか、その恐れが大きい
②緊急に対応が必要
③猟銃以外に迅速に捕獲する方法がない
④地域住民などに危害が及ぶ恐れがない

福島市によりますと、今回は、この条件のうち2つを全て満たしていなかったということです。

特に、3つ目の「銃猟以外の方法では、的確かつ迅速な捕獲が困難であること」については、当時クマは動いていたため銃弾を的中させるのが難しく、むしろ、わなで捕獲したほうが良い状況だったということです。

また、4つ目の条件「安全性の確保」については、今回クマが逃げ込んだ立体駐車場のような密閉された空間で銃を使うと弾丸が床を貫通したり、壁に当たって跳ね返ったりして、付近の住民や建物に被害を及ぼすリスクを排除しきれなかったということです。

以上のことから、現場での銃の使用が難しく、結果的にクマは捕獲できませんでした。今回人身被害はありませんでしたが、日常生活圏でのクマの目撃は増えています。今後同じようなケースが発生した場合どう対応するのか、対策が求められます。