「優先ではなく配慮を」

訓練には、市の職員も参加しました。明らかになった課題を実際の避難に生かす方針です。また、今回は地域の住民も参加して、住民の目線からの質問も飛び交いました。

地域の住民「体育館の間取り図とともに、あらかじめテントの位置は決まっていた方がいいのでは?」

笠間さん「避難所って指定席だと嬉しいですよね。この学校の体育館のこの場所に避難してくださいって。やっぱり私たちあの荷物をもって移動してきますので、すごく出遅れるんですよ。みなさんが『あ!いま避難しなくちゃ』というようには出ていけない。そうすると、避難所のいいポジションって、先に埋まっちゃいますから、私たちがついたときには真ん中くらいしか開いてなくて…」

こう話した上で、優先ではなく配慮してほしいと呼びかけました。


笠間さん「それは、障害者だから優先してほしいというわけではなくて、来るのが遅くなるんです。どんなに頑張っても。荷物を載せるのも大変だし、子どもを乗せるのも大変だし、環境が変わると不安に思う子も多いので。これだけ準備していても忘れ物をしていますし。優先してくれという意味ではなくて、配慮事項の一つとして、場所が確保されていると安心して避難できる」

いざという時、自分の身の周りに、支援が必要な人がいるかもしれない。ほんの少しの気遣いが、当事者にとっては、大きな安心につながるかもしれない。参加者たちは、それぞれの立場で、訓練で得た教訓をかみしめていました。