始まりは3年前 代々つながれた製作のバトン

福島県立テクノアカデミーで学生たちの飛行機作りが始まったのは、3年前。ものづくりを学ぶエンジニアの卵たちが、室屋さんと共に挑戦を始めました。

機械技術科2年生(2022年度)松下慎之介さん「ワクワクと緊張が混じり合っている」

「飛行機を作る」というテクノアカデミー独自のユニークな授業。航空整備士の指導を受けて、飛行機内部の構造を学びながら組み立てていく画期的なカリキュラムです。

卒業する2年生から1年生に、飛行機づくりのバトンがつながります。

プロジェクト2年目は、先輩からバトンを受け継いだ後輩たちが飛行機製作を継続。主翼やコックピットを製作しました。ジュラルミンの板の厚さは、わずか0.5ミリほど。少しの狂いも許されません。

機械技術科2年生(2023年度)佐々木優さん「これをやりに来たといっても過言ではない。自分は今満足しています」

プロジェクト最終年度。いよいよ仕上げです。学生たちが運んできたのは、飛行機の主翼。南相馬市の地元企業の協力を得て、機体の塗装が始まりました。軽量化が求められる飛行機の塗装はかなり難しい技術です。

学生「ムラが出たり、たれたりするのでそこが難しい」

今野鐵工所・今野英邦社長「1回塗装したのを全部取るっていう作業をした。1回目の時は、ダメでもう。2回目からは加減がわかってきて、微調整ができるようになった。そこからは早かった。感覚をつかんでくるのが」

難しいことに挑戦する経験が、学生たちを成長させました。

機械技術科2年生・今野州真さん「学校の中だけでは体験できないこともいろいろできるので、身に付けていきたい」

これまで別々に作られてきたパーツが次々と合体し、学生たちの飛行機が完成に近づいていきます。