2019年の台風19号の被害を受け、福島県の阿武隈川流域で整備の計画が進められている遊水地。鏡石町、矢吹町、玉川村の3つの自治体にそれぞれ整備される計画です。予定地はいずれも阿武隈川沿いに立地していて、この一帯は、これまでも台風19号をはじめ多くの豪雨被害を受けていました。

遊水地の面積は、合わせておよそ350ヘクタールで東京ドームおよそ75個分の広さとなります。


遊水地には、あらかじめ低くした堤防を設けることで、豪雨などで増水した河川の水を計画的に溢れさせます。溢れた水は、遊水地に流れ込むことによって洪水の被害を最小限に食い止めます。貯水量は、1500万立方メートルほどとなる見込みです。


一方、課題もあります。それが用地の取得です。計画されている遊水地の用地には、およそ150戸の畑や宅地が含まれていて、多くの人が移転を余儀なくされます。

担当者は「遊水地を整備し、水害が頻発する地区から移転いただくことが、この地域における最善の治水対策と考えております」と説明していて、今後、用地取得に向け地域住民の理解を深めることが重要となります。


国は、遊水地の整備を6年後の2028年度までに完了したいとしています。