サッカー明治安田J3の福島ユナイテッドFCは、2日、J2昇格プレーオフの準決勝で松本山雅FCと引き分け、悲願のJ2昇格を逃しました。「サポーターに恩返しを…」。最後まで戦い抜いた選手たちには、悔し涙がありました。
井上和樹アナウンサー「緑色に染まったスタジアムに赤色のともしびが灯りました。遠く離れた松本の地に駆け付けたサポーターの思いを胸に、ユナイテッドの選手たち勝利を目指します」
1万2000人を超える大観衆が集まった、J2昇格プレーオフ準決勝。スタジアムの大半を松本山雅のサポーターが埋め尽くす中、福島からはおよそ500人のサポーターが駆け付けました。
リーグ戦5位のユナイテッドは、4位の松本に勝たなければ決勝へ進むことができません。先手を取ったのは、ユナイテッドでした。
井上アナ「森に通りました!決まった!ユナイテッド先制点!」
先制点は、ユナイテッド在籍9年目の樋口!大一番に頼れるベテランが口火を切ります。
井上アナ「森晃太、自分でシュートを打ってこれはポストに当たった!追加点ならず」
追加点は奪えませんでしたが、前半を優位に進めたユナイテッドが1点リードで後半へ。このままリードを守り切ればユナイテッドが決勝進出。しかし、ここでアウェイの洗礼が…。
井上アナ「すごいブーイングです。地鳴りのよう」
後半に入ると、守備に追われる時間が増え、流れが松本に傾きます。後半20分、松本のコーナーキックからこぼれ球を高橋に押し込まれ、1対1の同点に追いつかれてしまいます。
井上アナ「コーナーキックから押し込まれてしまったユナイテッド。ここからは得点を入れるしかありません」
決勝進出へは勝つしかないユナイテッド。あきらめずにゴールを狙いますが、スコアはなかなか動きません。そして…。
井上アナ「試合終了のホイッスル。こんなに悔しい引き分けはあったでしょうか。ユナイテッド、試合には負けていません。ただJ2昇格という壁に阻まれてしまった」
準決勝敗退が決まり、J2昇格を逃しました。失意の選手たちを迎えたのは、ブーイングではなく声援でした。
ユナイテッドサポーター「前向け!前向け!泣くな!福島ユナイテッド!」
先制点を決めた樋口寛規選手と、寺田周平監督は、試合後、涙を流して悔しさをにじませました。
樋口寛規選手「勝って(サポーターに)恩返ししたかったので、それができなくて申し訳ない」
寺田周平監督「(選手たちを)ああいう悲しい表情にさせてしまったことは…この1年取り組んできた選手との時間というのはすごくかけがえのないもの。なんとか笑顔で終わりたかったので、そこは申し訳ない」
悔しさを物語る、選手と監督の涙。他の選手もみな口を揃えて「福島のサポーターに恩返ししたかった」と話していました。来年こそ笑顔で終われるシーズンに。期待が高まります。










