楽天イーグルス一筋でプレーしてきた銀次選手が、22日仙台市内で会見を開き、現役引退を表明しました。岩手県出身で東北のファンを魅了し、球団の日本一にも貢献した銀次選手。涙は見せず今後も東北の力になりたいと語りました。

銀次選手:
「今年でユニフォームを脱ぎます。プレイヤーとして現役を引退します。楽天イーグルスでアンバサダーとしてやらせていただきます。本当に感謝の気持ちしかありません」

22日正午、会見場に緊張の面持ちで現れた楽天イーグルスの「背番号33」銀次内野手。会見冒頭、他球団に移籍せず、引退を決断した理由について語りました。

銀次選手:
「被災地などを回っていく中でいろいろな人と出会い、その中で仙台・東北を離れて欲しくない、ずっと楽天にいて欲しいとか、そういう声がすごくあったので(理由として)それが一番大きいのかなと思います。でもやっぱり東北が好きだし生まれた場所なので、ここで恩返ししていきたいと思いました」

楽天一筋でプロ生活18年。銀次選手は独特の打法と巧みなバットコントロールで、楽天イーグルスの主力メンバーに定着。2013年に果たした日本一にも貢献し、ここ一番の勝負強さで多くのファンを魅了しました。しかし、今シーズンは9月半ばまで一軍起用の機会に恵まれず、6試合の出場に留まるとシーズン終了後、チームの戦力構想外になっていました。

銀次選手:
「18年間は毎日、悔しい悔しいと思いながら練習してきましたし、試合にも出てきました。その悔しさをエネルギーに変えて毎日やっていました」

銀次選手が現役生活の中で、一番の思い出に上げたのは…。

銀次選手:
「今年の自分が一軍に上がっての初打席ですかね。あの声援は一生忘れないと思います。今だから言えますけどウルッときた場面があって。これじゃダメだと思いながら打席に入った記憶があります。幸せを感じました。日本一になったことは一生忘れない」

街の人たちも銀次選手の引退に寂しさを募らせます。

街の人:
「ショックです。応援していたので」
「岩手県民の中では銀次選手は特別な存在。ずっと応援していた」
「まだやれるかなと思っていたけど、今年最後の方だけ一軍に上がった。(楽天の)コーチになったら若い選手をどんどん育ててほしい」

楽天イーグルスの球場近くにあるこちらの薬店では、楽天ファンの店主・吉岡和男さんが、店頭にチームへのメッセージボードを掲げており、銀次選手本人も来店しました。吉岡さんがきょう書いた言葉は…「感謝です、銀次さん」

吉岡和男さん:
「やっぱり、この気持ちですね。18年間ありがとうですね」

吉岡和男さん

そんなファンへ銀次選手も感謝の言葉を口にします。

銀次選手:
「ファンの存在というのは自分を育ててくれる存在でした。自分が強くなれるというのか前向きになれるというか、ファンのおかげでここまで来られた」

そしてこの先の人生について、銀次選手と同期入団で現役生活を共にした桝田慎太郎さんがエールを送りました。

桝田慎太郎さん:
「銀次はどういう時でも東北のためにと言葉を口にしてきた。これからのアンバサダーという仕事が適任だと思いますし、本当に頑張ってほしい」

プロ18年、通算1240試合、生え抜き選手としては最多の1239安打を記録した銀次選手、その数字以上の影響を東北の人々に与えてきました。

銀次選手:
「これからも被災地、東北を盛り上げていくので。恩返ししながら盛り上げていくので、たくさん寄り添っていきます」