10年かけてなくなった風評被害…自慢のホヤ"廃棄"される不安

宮城県 村井知事:「エックスデーが近づいているのではないか」

国が「安全性」をアピールする一方、「安心感」は広がっていません。石巻市寄磯浜でホヤなどを生産、販売している遠藤仁志さんは、すでに風評被害は始まっていると憤ります。

マルキ遠藤 遠藤仁志社長:
「(取引先に)『処理水流す前の日までのホヤをください』と言われた。10年かけてやっと今風評がなくなったんだよ。やっと軌道に乗ったところですよ。海で生活を営んでいる人たちの思いは全然眼中にない」

原発事故の影響で震災前、県産ホヤの出荷数のおよそ6割を占めていた韓国への輸出が停止し代わりに確保したのがアメリカへの販路でした。輸出量も以前と変わらないおよそ80トンにまで回復しました。しかし…

マルキ遠藤 遠藤仁志社長:
「(海洋放出)やる前から『(処理)水を流す前のやつをください』と言われるのだから、水流しても使うという話は今年のホヤのむき身については出ないはず。はじめからそう言ってよこされたので、来年はほとんどないのかなと思っている。」

政府は、風評被害対策に500億円の基金を用意しています。輸出がストップした際は賠償の対象となる見込みですが水揚げしたホヤは廃棄を余儀なくされる可能性があります。処理水の放出は30年以上かかるとされています。

マルキ遠藤 遠藤仁志社長:
「頭の良い人たちは、はっきりものを言わないですよね。良いことだけしか言わない。ホヤとかホタテは韓国、中国が大きいんですよ。それがこの先処理水のせいでストップになってしまうと何とも…」