東京電力福島第一原発事故で生じた放射性物質を含むALPS(アルプス)処理水の海洋放出開始が間近に迫っています。国や国際機関の検査で安全性は示されているものの、宮城県内の観光業や漁業関係者の間には風評被害への不安が広がっています。

もうすぐ楽しい海開きも"素直に喜べない"理由は

9日行われた清掃活動。宮城県七ヶ浜町の菖蒲田海水浴場は、今シーズンも15日に海開きを迎えますが今年は、素直に喜べないと観光協会の我妻典夫会長は話します。

七ヶ浜町観光協会 我妻典夫会長:
「風評被害っていうのはやっぱり巨大な怪物というんでしょうかそこを払しょくしない限り懸念するところ」

菖蒲田海水浴場は福島第一原発からおよそ100キロ。水質には全く問題ありませんが、我妻会長は、客足が遠のくことを心配しています。

七ヶ浜町観光協会 我妻典夫会長:
「いくらその放流基準を下げてもやっぱり人の中には「処理水何分の1」ということがやっぱり懸念材料として残るのでなかなか前に進まないだろうなと」

福島第一原発にたまり続ける放射性物質トリチウムを含むALPS(アルプス)処理水の海洋放出が始まろうとしています。東京電力は6月までに放出のための設備工事を完了。またIAEA=国際原子力機関から「人や環境への影響は無視できる」との報告書が提出され、放出の前提条件は整いました。