去年4月、北海道の知床半島沖で発生した観光船沈没事故を教訓とした取り組みです。冷たい水から身を守る防水スーツ=「ドライスーツ」の機能を検証する実証実験が27日、宮城県大崎市で行われました。
足のつま先や胸などにセットしたのは温度を計測するセンサー。そして、最後に着用するのはドライスーツです。

この実証実験は、ドライスーツの機能や特性などを確認しようと、水難学会が初めて行ったものです。学会のメンバー5人が防水仕様のドライスーツを着用してプールに入りました。

実験では気温3度、水温0.5度という寒さのなか、水に浮いた状態を15分間、保ちます。そして、時間の経過とともに徐々に冷えていく手足など体の状態の変化を確認していきました。
立ち会った医師:「冷たい。痛みはまだ感じない?」
学会のメンバー「足のつま先あたりがしびれるような感覚」
この実験は、知床半島沖で観光船が沈没し、20人が死亡、6人が行方不明となっている事故を受け行われました。

水難学会・斎藤秀俊会長:
「水はシャットアウトできる。ただ冷たさは体の中まで入ってくるので中にある衣服でどこまでシャットアウトできるのかを確認している」

今回、ドライスーツの中に着る衣類は厚手のダウンジャケットや薄手のフリースなど3種類で、それぞれ体にどのような変化が出るか検証しました。

学会のメンバー:
「最初に着たダウンジャケットではまだ我慢できたが、フリースだけだとすぐに厳しいと感じた」
水難学会斎藤秀俊会長:「きょうのデータは冷水に落ちたときの水難事故で命を落とすということを防止するために役立ててもらいたい」
水難学会は検証結果を来月上旬にも公表し、今後も水難事故防止に向けた実証実験を行っていくことにしています。







