宮城県産の干しのりが今年に入ってから例年の2倍近い高値で取引されています。理由は、九州・有明海のノリの記録的な不作で、関係者からは、複雑な声が聞こえてきます。
きのう午前7時半過ぎ、七ヶ浜町の松ヶ浜漁港。ここから10分ほど離れた養殖施設で摘んだノリを満載し、船が帰港しました。

県産ノリの摘み取りの最盛期はあと1か月ほどです。
こうした中、24日、塩釜市で行われたノリの入札会。県内109の生産者の干しのりおよそ4510万枚が出品され、全国から集まったおよそ100人の買受人が香りや味わいなど品定めしました。不作だった去年おととしと比べ、今年は海水温が順調に下がるなど海の環境が良好で例年以上に品質は良いということです。

買受人:
「色、つやがいい」
「出来がいいね、色もあるし、柔らかいし食べても美味しい」

実は、今年に入ってから宮城県産の干しのりが高騰しています。有明海産のノリが福岡県、佐賀県で記録的不作で、宮城県産を奪い合う傾向が高まり、価格の平均は例年の▼1.7倍となっています。買受人からは困惑の声が聞かれました。

買受人:
「今年の出来はすごくいいんですけど、お高くて、倍近く上がってますよ。ビックリするほどで手が出ません。消費者が手が出なくなって高級なノリになるんじゃないかと消費者がおっしゃってる」

「消費者離れするような感じですよね」

県漁協は、この高値は生産者にメリットがある一方で、消費者から敬遠されることにつながりかねないと危惧しています。
県漁協塩釜総合支所 佐藤宏己支所長:
「(短期的には)生産者サイドから見れば、油や資材の高騰のなかで去年までの単価では廃業も考える状況だったので良かった。(長期的には)需要離れ、ノリ離れが今後どうなっていくのか」

県漁協は、「何とか値上げを抑えてきたが、ここまで高騰すると価格を上げざるを得ない」と話し、消費量への影響を不安視しています。







