地道に進めた保護活動 それでも戻らない「ふるさと」の姿

国内で繁殖させたシジュウカラガンをロシアで放す活動にも参加し、海を超えて繁殖の取り組みを続けたことで、現在では国内に1万羽以上が飛来していますが、群れはかつてのふるさとに戻ってきていません。

呉地さんは湿地を守るなどの環境保護に加え、地域の若者にシジュウカラガンの魅力を知ってもらうことも必要だと話します。

日本雁を保護する会 呉地正行会長
「自分たちの住んでいるところにこういうものがある、地域を見るまなざしを変えること。『この地域はなかなかすごいんだな』と、それがふるさとの誇りになる。そういう風景を残していくためには次の世代の人たちが関わらないと成り立たない」

呉地さんら日本雁を保護する会は2022年、仙台育英高校などとともに、群れを七北田低地へと呼び戻す復活プロジェクトを始めました。

4年目となる今年はお歳暮のコーヒーギフトを販売。パッケージには生徒がデザインした、シジュウカラガンのイラストが採用されました。

売り上げの一部はプロジェクトの資金に寄附されます。