宮城県気仙沼市に被爆地・広島市から戦後復興のシンボルとしておよそ20年前に寄贈されたキョウチクトウの木が誤って伐採されていたことが分かりました。その後、伐採された切り株付近からは新たな芽が出て育っているということです。

キョウチクトウは、2004年、広島市から気仙沼市に寄贈されて市役所の玄関前の花壇に植えられました。原爆投下後「75年間、草木も生えない」といわれた広島市でいち早く花をつけ、戦後復興のシンボルとなっています。ところが8月下旬、市役所周辺の環境美化にあたった民間の委託業者がキョウチクトウの枝葉などに毒性があることから来庁者に被害が及ぶ可能性を考慮して自己判断で伐採したということです。伐採されたことを受け気仙沼市は、平和祈念植樹の標柱も撤去しました。

市議会でキョウチクトウ伐採を質した 秋山善治郎気仙沼市議:
「平和の祈念植樹としてずっと育ててきたキョウチクトウが根元から伐採された。そして平和の祈念植樹の標柱も撤去されてしまった。これは気仙沼市の平和行政に逆行するのでは」
気仙沼市新庁舎・財産管理課 阿部正行課長:
「なんとお詫びしてよいか申し訳ない。せっかく贈っていただいた樹木なので、誤ったとはいえ伐採してしまったという事実には申し訳ない気持ちです」

その後、キョウチクトウの切り株付近からは新たな芽が出て育っていることが確認されたということです。気仙沼市は、再び標柱を設置し生育を見守ることにしていて、今後は、業者への指示や管理を徹底し再発防止に務めると説明しています。