2020年10月、宮城県立の高校で50代の男性教諭からパワーハラスメントを受けた30代の女性教諭が自殺した問題で10日、宮城県教育員会は「再発防止に関する検証報告書」を公表した。明らかにされたのは、優秀だった若手女性教諭に対し繰り返された「メモ」を使ったパワハラ行為と学校側の不十分な対応だった。

宮城県庁

女性教諭は2017年度に宮城県教育委員会に採用され、その際、405人の代表として服務宣誓を務めている。同じ年に当該の県立高校に赴任。研修や勉強会にも積極的に参加するなど向上心をもって業務にあたり管理職からの評価も高かった。男性教諭も「期待の若手」として接していたというが、2020年3月から関係がこじれ、その後、パワハラ行為が始まり女性教諭を追い詰めていったと報告書は指摘している。

宮城県教育委員会

きっかけは2020年3月に行われた他県大学シンポジウムの報告だった。女性教諭の報告に対し別の教職員から「もう少しかみ砕いて伝えてもらえないか」と指摘があり、その際、男性教諭は女性教諭をフォローするつもりで「一般的に理解されている用語である」などと発言した。報告書に詳しい描写がなく詳細は不明だが、女性教諭は説明をさえぎられ、準備していた報告を予定通りできなかったという。後日、男性教諭は報告の流れをさえぎったことを女性教諭に謝罪。一方で「俺だって苦労して気を遣っている」などと述べ、女性教諭が謝罪する事態となった。その後、男性教諭による厳しい言動が増えていく。以下、主な言動をまとめた。