仙台市中心部の時計や宝飾品を扱う仙台の老舗「三原堂」が惜しまれながら、5月31日93年の歴史に幕を下ろしました。

仙台市青葉区のクリスロード商店街にある「三原堂」。
最後の営業日となった5月31日は、閉店間際にも時計などを求め、店に入る客の姿が見られました。

三原堂は、ブランド時計や宝飾品を取り扱う専門店として、1932年に創業しました。

1960年の仙台初売りの映像には、多くの人が詰めかける様子が映っていました。

1966年には、23.3カラット、時価1億8000万円のダイヤモンドを公開し、多くの人が目を輝かせて見入っていました。

そして、こんなことも…。

1983年、ショーケースから大量の貴金属類が盗まれる被害に遭いました。

三原一郎社長(当時):
「中に入ればネズミ一匹入っても警報が鳴る仕組み。店内で目覚まし時計がなっただけでも鳴りますよ。

(Q:それが鳴らなかったというのはどういうこと?)それが私も専門家ではないから、わからないですよね」

犯人は、屋根から店内に侵入し、約1億3000万円の貴金属を盗んで逃げました。後に逮捕されましたが結局、貴金属は一部しか戻らなかったということです。

♪CMソング「駅から365歩時計と宝石三原堂」

「駅から365歩」のCMソングでも知られた三原堂。閉店の理由については「諸般の事情」としています。

贈答用に置時計と指輪購入した人:
「最終日というのでなにかしら購入できないかなと思って顔を出した。まさかなくなるとは思っていなかったので残念」

同じ商店街の同業者:
「すごく寂しいですね音楽とかクリスロードのイメージが強いお店だったので寂しい」

93年にわたり市民に親しまれ、5月31日でその歴史に幕を下ろした「三原堂」。仙台市中心部の商店街からまたひとつ、老舗が姿を消しました。

今後、「時計」は三原堂の社員が同じ場所に修理専門店を出してメンテナンスに対応し、「宝飾品」は、近くの専門店がアフターサービスを請け負うということです。