備蓄米5㎏2000円という価格について、消費者からは、期待の声があがる一方、小売店や生産者からは不安の声も聞かれます。

大友惇之介記者:
「米価が高まる中、5㎏2000円程度で販売されるという備蓄米。市民の受け止めを聞いてみたいと思います」

街の人:
「古古米とか古米という話なので、今回これで通常のコメ(新米)も安くなる方向で影響が出ればいいなと期待している」
「4000円近いので、それに比べたら安いなと思う。(Q:備蓄米が出たら買う?)買う」

一方でこんな人も…

街の人:
「備蓄米は買わない、美味しくない。新しいお米がいい」
「世の中としては期待感はあると思うけど、備蓄しているくらいなら最初から出したらって思っちゃう」

米工房いわい 岩井宏太会長:
「赤字なんだけど、サービスとしてやるしかない」

創業72年、仙台市太白区のコメ販売店「米工房いわい」です。農家や卸売業者から県内産のコメを買い付け、市価よりも1割から2割ほど安く販売しています。

備蓄米の取り扱いが、大手小売業者のみとなっていることに納得できないと話します。

米工房いわい 岩井宏太会長:
「コメ屋を無視して、ただ売ればいいって感じ。それで消費者が喜ぶかどうか…我々としてはちょっとショック。大臣も就任早々から突拍子もないことを発言したから、どうなるのか。不安のほうがいっぱいです」

一方、生産者は…

KAMIX 近田利樹代表:
「今年も去年と同じように米価は期待できるという思いがある」

加美町の農事組合法人KAMIXの代表、近田利樹さんは、35haで主食用米を生産しています。

コメの値上がりは、生産者にとっては、収入の安定につながっているといいます。そうした中、備蓄米が5キロ2000円で販売されることについては、危機感を抱いています。

KAMIX 近田利樹代表:
「非常に我々農家にとって不安材料でしかない。2000円で売るためには、農家からいくらで買い付けをするのかという話」

多くの消費者にコメを食べてもらいたいと思う一方、政府の一連の対応は、その場しのぎに見えると話します。

KAMIX 近田利樹代表:
「(コメ価格が)ちょっと高いと何とかして消費者に安いコメを届けようと策を考えるが、こんなのは自業自得。自業自得。その場しのぎの施策でではなく(農業が)ずっと続けられるような施策をきちんと出してほしい」

なお、農水省によりますと、最新のスーパーでのコメの平均小売価格は、5㎏=4285円となっていて価格高騰が続いています。