自宅に「のぞみ文庫」開設 私財投じて本を購入した川端英子さん

仙台市太白区に住む川端英子さん(89)。石巻の「川べの文庫」に本を譲った人です。子育ての真っ最中に参加した読書の集いで、本の読み聞かせに目を輝かせる子どもたちに感動し1970年、自宅に「家庭文庫」を開きました。

川端英子さん:「本を読むことで自分が体験しないことを想像できる。体験しないことを想像する力、想像力が育つことが一番大きい」

子どもの心の成長を願う家庭文庫の名前は「のぞみ文庫」としました。名付け親は友人でした。

川端英子さん:「今は小さな文庫だけれどもタンポポの種が飛んでいくように、あちこちに文庫の種が飛んでいくように、のぞみを大きく持って始めましょうという意味で『のぞみ文庫』がいいと説得された」

以来、私財を投じて本の購入を続けました。54年間で1万1730冊を集めて、貸し出しや絵本の読み聞かせをしてきました。しかし、寄る年波には勝てず、去年12月、やむなくのぞみ文庫の幕を下ろしたのです。

川端英子さん:「(階段の)上り下りもひどくなってきた。去年の秋ごろから限界かなと思うようになった」